こんにちは。
アートマニアではないけれども、機会があれば美術館や企画展示やアートフェアなど作品展を観に行き、アートを身体と頭に吸収させてる小嶌です。
さて、私はアートに関して批判も説教もしたい訳ではありません。
けど、ただ、巷に広く流布するアートやアートに関連する取り組みに違和感を感じることが少なからずあり、みなさんはどうでしょう?という問いかけをしたくて
筆をとりました。「いやいや、それは〇〇だよ、こじまさん」という反論や教示でも、共感やさらなる違和感でも、もしあればぜひ教えてください。
さて、四つの違和感に参ります。
① 売れる・売れないとアートの価値の連動性
売れる・売れない、作品のお値段の高い・安いは、アートの価値を左右するものでは無いはずなのだけど、やっぱり売れたいと思うのは人間の性。
いくつかアート展示をまわっていると、売れる売れないが評価指標のひとつになることに違和感を感じてしまう。
アート作品が評価されて売れることは喜ばしいことだけど、売れていないアートに価値がない訳ではないと思うのだけど、どうなんだろう。
売れることがとても評価されるようになったら、アーティストが市場に媚びるのではないか、作品がどんどん商業的になるのでは?というのは私の勝手な懸念。けど、友人と話してたら、アートは商業で発展してきた過去があるしねぇ、と言われたから要らぬ考えなのかも。
②アートは投機の対象?
上記と連動しますが、アート作品を投機的に購入されるトレンドも気になる。
きっとこのアーティスト(アート作品)は将来評価されて、購入時よりも高値で売れるだろうと将来の売買を見込んでの作品の購入。
けど、これはアーティストの可能性にお金をかけるという点では良いのかもしれない。
けど、青田買いが加速すると、なかなか個々が純粋に好きな作品が手に入らなくなるので気持ちは複雑。投機とは、市場を視た購入なのか、作家や作品に惚れ込んだ購入なのか。なんて、思っちゃう。
③アート思考、アート偏重社会への危機感
アート思考の詳細は別途調べていただければと思うのですが、アーティスト(芸術家)の思考方法を取り入れること、としても様々な解釈があります。この、なんだか曖昧で様々な解釈があることも、都合よく利用されちゃってどうなんだろう。とも思いますが、アートは自由な表現や創造を意味するなら、いろんな解釈をすることも、都合よく利用することも自由なのでしょう。
また、少し乱暴な言い方で説明すると、アート思考は主観を大事にして自身の考えや感性を掘り下げていくことで、自身を正当化しやすくします。
主な情報収集手段がインターネットになり、各種SNSで同じ考えの人が集まりやすい中で、アート思考がコミュニティ間の分断をより促進させるのでは?とも懸念したりもする。
自分のオリジナリティや創造性を深めるのも大事だけど、他者への理解や世界の把握、客観的な視点も育てないと、解釈の違いによっては自己の正当化と思考停止を招くことが懸念されるので、バランスが重要そう。
本人の情動や主体性、オリジナリティを引き出すには良いけど、一気通貫して使えるものではなくて思考のスパイスかなと思います。
④経済活動をまわす産業としてのアート?
これだけアート、アートと俄かに騒がれ始めたのはなぜだろうと考えをめぐらせると、もしかしたら大きな戦略が絡んでいるのでは?との仮説にも至ります。
もしかしたら、もう第一次産業、第二次産業は、生産も消費も必要な人材リソースも飽和状態なのかもしれない。高度経済成長期前後と比べて現代は、物は足りていて捨てるのに困るくらい。機械化も進み、以前と比べて必要な労働力も減った。
第一次・第二次産業で前と変わらないくらいの経済活動を行うことに限界が見えたから、資源や人材が縮小する中で、経済活動の量を保持するには第三次産業強化が必要、との戦略に至ったのでは。
第三次産業は第一次・第二次産業と比べて、足りることは無いし、廃棄することも無い。人の働きかけによって、無尽蔵に生産することができるし、常にフローするものである。その中でも、アートは高付加価値がつきやすい経済活動として、産業として奨励されているのではないか、なんて思っちゃったりもするけど
どうだろう。アートって、そもそもそういうものだっけ?(自分へのツッコミも含めいろんな意味で。)
アートはなぜ必要?
アートは必要だと私は思います。
日々の生活や実用的なものに囲まれていては気づかなかった視点をもらえるし、その気づきは自分の次の想像力や行動にもつながる。
なかなか説明する機会のない思考や感情を何かの形にして表出するのも、なかなかな技術。そういったものに対面すると唸るし、やっぱり発想の原動力になる。
この作品を通しての人間同士の化学反応がおもしろいし、この積み重ねが文化につながるというか、人間のある種の進化を促すんだと思うんだよね。
けど、最近感じるアートトレンドへの違和感は、ひとの発想力や創造力に、市場原理や利己主義が絡んでいるのでは?というところにあって
それが令和の時代のアートの特徴だと言われたらそれまでだけど。
あなたは、どう思いますか。